「完美」の経営理念

「完美」の経営理念

作者:楊侠
引用元サイト名:「」『人民日報海外版』(2011年01月14日第2版)
URL:http://paper.people.com.cn/rmrbhwb/html/2019-05/14/node_865.htm
日時:2011年1月14日

 

張 心怡  訳
松村 淳 構成

 

 

本社記者(楊侠)は2010年末、完美(中国)日用品株式会社(注1)がこの十年以来、「母親水がめ」プロジェクト(注2)に大きく貢献したため、「中国婦女慈善奨」を受賞し、会社CEOの胡瑞連氏もその奨の「十大感動人物」(大衆に感動を与えた十人)として選ばれた。これは完美会社十年以来、「母親水がめ」チャリティ・プロジェクトに積極的に参加して、その段階的な成果への表彰だけではなくて、企業として社会責任を担ったと公認されたことが示された。

2010年、完美株式会社が率先して、国内初めての低炭素テーマのバイリンガルマンガ『低炭素マンガ総動員』を出版し、大きく社会からの注目を集めた。この本は無料で寄付され、社会の民衆、特に小中学生にエコの理念を伝えたため、国際連合開発計画から高い評価を受けた。

CEOの胡瑞連氏は、完美の経営理念の中では、いつも「利他、利人、社会ケア、社会に恩返し」などのポジティブな考え方が入っており、これらの経営理念は会社が創業された当時から定められたのだ。そして実践の中で絶えず改善し、徹底するのだ。この理念の源は稲盛和夫の経営哲学と関わっていて、そしてその哲学の由来は、中国儒学学者の王陽明にあると思っている。

 

胡瑞連氏は、稲盛和夫の経営哲学であれ、王陽明の哲学であれ、いずれもあることを行動しようとする前に、その行動は他人にどんな影響や結果を与えるのかを、まず考えてはっきりさせなければならない。同様に、お客さんに自分の商品を買ってほしいならば、自分がお金をどれぐらい稼げるのかをずっと計算するのではなくて、この商品を買ってくれる人にどれぐらいの利益を提供できるのか、相手に役立つのかを考えるものだ。このような穏やかな発展する考え方は、完美会社の日常な経営管理に浸透し、企業文化の要にもなった。ある人は、儒家や「利他」が、企業の利潤に不利益をもたらすのではないか、と心配した。しかし、この理念があったからこそ、チームを安定させ、営業の業績を高めた事実であった。さらに、完美会社が中国での16年間(2011年当時)に穏やかに発展できたのは、ずっとそういう理念によってサポートされたのだ。

 

注1|完美(中国)日用品株式会社:花王のようなファブリックケア、ホームケア、化粧品などを生産する大手化学メーカー。

注2|母親水がめプロジェクト:水不足が深刻な中国西部には、男性が出稼ぎで不在なため、田舎に残された女性が水源まで数キロさらに数十キロを歩かなければならないという水に苦しんでいる状況がたくさんある。「母親水がめ」は、天水(雨水)を集積し、浄化するコンクリートの水がめを村ごとに設立するという「中国婦女発展基金会」が2001年から始めたチャリティ・プロジェクトで、そのおかげで、水に苦しんでいた「母親たち」はすぐ近くにきれいな、大量な水を取れるようになるのだ。

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter